だから広告を消したくなる テレビショッピング状態のCM業界
近頃、テレビがおもしろくなくなったとの声があるが、おもしろいCMも少ない。
なぜか
消費者の想像力を奪っているCMが多すぎるからだ。
広告というのは「うちの商品を使えば、こんなにいいことがありますよ」ってことをアピールする場なのだが、CMの面白いところは、映像としての作品という、クリエイティブ要素があることだ。
クリエイティブ要素があるから、我々はあれやこれやとそのCM展開に思いを巡らす、だから記憶に残る。そして、広告に、商品に愛着を持つのである。
CMの中に消費者を引き込むようなシーンをクリエイティブできる、それがCMの醍醐味ではないだろうか
だからこそCMが商品情報を前面にアピールしなくても、なぜか商品の印象が残るのは”良いCMの要素”の一つだ。
そうすると、CMにとって、あからさまに「うちの商品を使えば、こんなにいいことがありますよ」とキャストやナレーターに言わせるのは、ヤボだ。
しかも今のつまらないCMにいたっては「うちの商品がいい理由は〜」なんて、きいてもないのに、テレビショッピングやチラシ広告みたいに、商品情報を貴重な数秒間に詰め込もうとする。
なんだか押し付けがましい。
独自製法とか「〇〇成分」や「〇〇エキス」が入ってるとか言われても、商品の裏に書かれてあるようなことを言われても、正直ピンとこない。
いまや、そんなCMが薬だけでなく、化粧品やら洗剤、ドリンク、食料品もそうなのだから、右から左に受け流される、記憶に残らないCMばかり。
CMは商品広告の視聴を強制させているんだから、視聴者をたのしませるような気遣いがないと、テレビショッピングみたいにボタンひとつで飛ばされてしまうよ。
YoutubeCMなら尚更だ。
しかし「なぜその商品が良いか」とわざわざ説明されないといけなくなったのは、我々の想像力が乏しくなったからであろうか。
もしかすると、CMも、ブログで数を稼ぐように「この商品が優れている3つの理由」とナレーターが喋りだす日も近いかもしれない。